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日本の品種はすごい-うまい植物をめぐる物語 (中公新書 (2572))

06/23/2020 19:51:15, , 竹下 大学

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によって 竹下 大学
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内容紹介 より美味で、かつ丈夫、収穫量が多く、栽培しやすい品種を――。誰もが夢見る新種を生み出すため、自然と格闘する仕事が育種家だ。りんごの「ふじ」のように歴史に名を刻む有名種や、競争に敗れて頂点から転落した梨の「長十郎」など、品種改良をめぐる歴史は、育種家たちの情熱の結晶である。本書では、じゃがいもや大豆、大根、わさびなど7つの身近な食用植物を取り上げ、その進化と普及にいたるドラマを描き出す。 内容(「BOOK」データベースより) より美味で、かつ丈夫、収穫量が多く、栽培しやすい品種を―。誰もが夢見る新品種を生むべく、自然と格闘する仕事が育種家だ。りんごの「ふじ」のように歴史に名を刻む有名種や、競争に敗れて頂点から転落した梨の「長十郎」など、品種改良をめぐる歴史は、育種家たちの情熱の結晶である。本書では、じゃがいもや大豆、大根、わさびなど7つの身近な食用植物を取り上げ、その進化と普及にいたるドラマを描き出す。 著者について 竹下大学 1965年東京都生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、キリンビールに入社。花の品種改良の経験がなかった同社で、ゼロから育種プログラムを立ち上げ、世界的な花の育種会社として認められるまでの功績を残す。2004年には、All-America Selectionsが北米の園芸産業に貢献した育種家に贈る「ブリーダーズカップ」の初代受賞者に選ばれる。現在、一般財団法人食品産業センターに勤務。技術士(農業部門)、NPO法人テクノ未来塾会員。著書に『どこでも楽しく収穫!パパの楽ちん菜園』(講談社、2010)、『植物はヒトを操る』(毎日新聞社、いとうせいこう共著、2010)、『東京ディズニーリゾート植物ガイド』(講談社、監修、2016)。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 竹下/大学 1965(昭和40)年、東京都生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、キリンビールに入社。同社の育種プログラムを立ち上げる(花部門)。All‐America Selections主催「ブリーダーズカップ」初代受賞者(2004年)。技術士(農業部門)。NPO法人テクノ未来塾会員。現在、一般財団法人食品産業センターに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
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本書のタイトルは多少抽象的であるが、概ね趣旨を言い表している。即ち「より美味で、かつ丈夫、収穫量が多く、栽培しやすい品種…誰もが夢見る新種を生み出すため、自然と格闘する仕事が育種家だ…品種改良をめぐる歴史は、育種家たちの情熱の結晶である…じゃがいもや大豆、大根、わさびなど7つの身近な食用植物を取り上げ、その進化と普及にいたるドラマ」(「商品の説明」)を歴史的に解説したものと言える。より具体的には、右適示の「7つの身近な食用生物」が日本でどのような経緯で栽培・普及し、またどのような品種改良・開発が進められたか等の歴史的事実と背景を概観するものであるが、視点は係る経緯と苦労譚・エピソードにあって生物学的検証ではないと観て良い。従ってごく一般的読者が対象であり生物・遺伝学的要素は殆どなく前提知識も不要である。係る点で本書と趣旨は異なる(対照的である)が、“食べる植物”をテーマとした先行類書として『植物はおいしい (ちくま新書)』は生物学的検証が趣旨である。以下、幾つか個人的に興味深いトピックと所見を紹介したい。まず意外性のあったのが、(農作物等の)育種家(又は品種改良関連業者)を「ブリーダー」と呼ぶことである(1~7頁)。私はてっきり“「ブリーダー」=動物の繁殖・育成担当者”との認識しかなかった。ジャガイモのトピックでは、「泥つき」の意味が推測するほどの(生物的)意義がないことも意外性がある(39~40頁ほか)。梨のトピックでは「ガンマーフィールド」の指摘があるが(66~9頁)、放射化学的な解説がないので、以下(放射線及び化学関連の国家資格保有者として)私の推測を交えて所見を述べておきたい。まず一般論として、γ線はX線(※注①)より波長が短い(=高エネルギーの)“電磁波”(電離放射線)であるので、被曝に依る生物・生理的影響が大きいと言える。放射線被曝の危険性は種々あるが、主として動植物のDNAを切断する点が前記トピックの背景にある。周知の通り、DNAは2重螺旋構造であり2本のポリヌクレオチド鎖からなる。2本鎖の結合は塩基により決まっているので、1本鎖が切断されても対応する他方鎖の塩基が無傷ならば修復はほぼ可能である。しかし2本鎖が切断されると復元が難しくなり、修復エラー即ち“突然変異”(又は修復不能の細胞死)の遠因となる。極論だが(他の影響は別論として)、電離放射線被曝に依るDNA2本鎖切断は潜在的危険性があるとも言える。本トピックの「ガンマーフィールド」は、係る人為的“突然変異”を品種改良に利用・研究した施設と推察される。このγ線照射(※注②)に依る人為的“突然変異”からの品種改良(系統)の1つが、枝豆(ダイズ)の「紫ずきん」であるらしい(163~4頁)。【※注】①通常のX線(医療用透過撮影)は、高電圧(管電圧50~100kV程度)で加速した熱電子を照射方向上斜角に設置したW(タングステン・原子番号74:陽極)板に照射する。斜角(陽極)板のタングステン原子に引き寄せられた熱電子は方向を換えるために速度を失い、そのエネルギー差がX線となって放出される(エネルギー保存則)。係るX線を(その発生原理通り)“制動X線”(連続スペクトル)と言う。この時、ごく1部の熱電子がタングステン原子の内殻電子に衝突しこれを外殻軌道に弾き出すと、エネルギー準位の高い外殻軌道からの電子が右空隙の内殻軌道に遷移してその差分エネルギー相当のX線が放出、これを“特性X線”(単一スペクトル)と言う。原子内の領域(原子核と電子軌道の領域)は広大なほどにスカスカなので、右の特性X線は無視できる。②γ線放射の主たる元素では、60Coが著名である(原子番号27・安定同位体は59Co)。半減期は凡そ5.27年でβ-崩壊の際にγ線を放出する(γ崩壊)。この60Coの核異性体に60mCoがあり、これもIT(内部転換)によりγ線を放射する。通常のγ線照射で著名なものが“ガンマナイフ”と呼ばれる(医療)放射線治療、及び殺菌用照射だろう。一般にγ線は物質透過能力が高く飛程が長い上、高エネルギーなので遮蔽が難しくなる。通常γ線放射核種は全方位に放射するので、これを一定範囲にコリメートする(収束させる)装置が必要となる。次が「果樹イノベーション」と評する「接ぎ木の新技術」(78~9頁)である。要は足にあたる樹木本体部分を複数“接合”するものだろう。足(及び根)部分が1本の樹木として(融合して)増加するから、“生命体”として強くなるのは科学的に合理性がある。言葉にすれば簡単だが、これを初めに思い付いたことは驚嘆に値するだろう。そして「赤いリンゴ」、つまり果皮でなく“果肉が赤いリンゴ”である(124~7頁)。本トピックには写真があるが、残念ながらモノクロなので実感できないが(125頁)、「FNNーPRIME オンライン」(WEB版)2018年10月20日付ニュースに本書で取り上げた開発者らの記事がリンゴのカラー写真と共に掲載されている。また「ダイズ」の起源が弥生期から縄文中期まで遡り、元々は「野生種」であったらしい仮説(131頁)も興味深いが、加えて「枝豆は豆ではない」=「未成熟」なので「野菜に分類される」も意外である(149~150頁)。「カブと大根の見分け方」(170~2頁)もなかなか面白く意外性があるトピックだろう。大根が生物組織上は2個の部分から成っているらしい。確かに大根の下部に(ひげ根の)「くぼみ」に気付くことがある。また「菜の花」が「アブラナ科アブラナ属」を指し、良く観られる「ナタネ」といった「特定の植物を意味しない」のは納得できる(180~182頁)。このほか「ワサビの学名」を巡るエピソード(238~9頁)、農業(栽培)とは無縁の「建設会社」が構築したワサビ栽培の「イノベーション」(265~9頁)なども面白く読めるトピックである。叙上のように、身近な野菜の品種の実態・実例、栽培、品種改良・変遷、歴史的背景など、一般的読者を意識して読みやすく(解りやすく)構成されたユニークな読物である。

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